鍼灸による薬を使わない不眠症の治療法

不眠症 鍼灸施術

不眠症において、薬を使わない治療、それには鍼灸がオススメです。

「不眠症に鍼灸が効く」という認識のある方は、まだまだ少ないと思います。

ですが、世界では今、不眠症や睡眠時無呼吸障害などに対する鍼灸の有効性が注目を浴びています。

鍼灸は不眠症の主な原因である、自律神経の乱れやストレスの軽減に有効だからです。

今日は、鍼灸における不眠症の治療方法についてご案内します。

不眠症とは

寝つきが悪くてなかなか眠れない、寝てもすぐに目が覚めてしまう、もう少しゆっくり寝たいのに朝早くに目覚めてしまう、そんな症状で悩まされたことはありませんか?

不眠は、よくある症状の一つで、約5人に1人は不眠の症状に悩んでいるといわれています。

親しい人の死など不幸な出来事、職場の環境の変化、人間関係のトラブル、近所の騒音など、実にさまざまなことが誘因となって、寝付けなかったり良質な睡眠をとることができません。

また、寝付けない、というだけの問題ではなく日中の眠気、集中力の低下や疲労感、倦怠感、抑うつなど様々な症状をひきおこす原因にもなります。

実は不眠症と診断するのに、明確な基準がなく、睡眠が5時間程度で十分な人や9時間寝ても足りないという人もいるように、睡眠には個人差があります。

「本人が眠れないことに悩んでいる」「寝られそうな環境なのに寝られない」「日常生活にも差し支えがある」となれば、不眠症と診断されます。

不眠症の原因

さまざまな疾患が原因となって不眠に悩まされる二次性の不眠症と、不眠を招く病気もなく、特に精神的な緊張を強いる誘因もないのに発症する不眠症もあります。

ストレス性の不眠症

仕事や家事など、集中して作業するために緊張を持続すべき時間と、リラックスして休息すべき時間の切り替えができていない方が不眠症に陥りやすいようです。

つまり、交感神経と副交感神経の切り替えが上手に出来ないから、眠れないわけです。

病気による不眠症

躁うつ病、統合失調症、神経症などが原因となっておこる不眠症、あるいは、更年期障害でも不眠になることがあります。

夜間の痛みなどに付随して起こる不眠症や、花粉症のような目・鼻・耳の症状が、呼吸器に影響を及ぼして正常な睡眠を妨げ、不眠を招くこともあります。

不眠症の種類

不眠の質においても①入眠障害、②熟眠困難、③中途覚醒、④早期覚醒に分類されます。

①入眠障害

寝つきが悪い状態のことを言います。およそ寝付くまでに2時間かかると入眠障害というように言われています。不眠症の中で最も多いタイプであり若い方にも多いタイプです。

②熟眠困難

睡眠時間はある程度確保できているにもかかわらず、しっかりと眠れた感じがしないという方に当てはまり、こちらは若い方に多い傾向にあります。

③中途覚醒

眠りについた後に夜中に何度も目が覚めてしまうタイプのことを言い、睡眠維持障害とも言います。高齢者に多いといわれていますが、若い人にも一定数いらっしゃるタイプの不眠症です。

④早期覚醒

朝早く目が覚めてしまい、まだ眠りたいのに眠れなくなってしまう。

タイプはさまざまありますが、どのタイプも自律神経のバランスが崩れている点は同じと言えます。

もちろん一過性のものもあれば、慢性的にずっと続いているものもあり、人によって症状の度合いは異なってきます。

鍼灸における不眠症の治療

東洋医学では、ストレスや強い感情、過 労、食生活の不摂生などでそのバランスが乱れると、体に不調や病気が生じると考え られています。

そのため、全身に現れる様々な症状(証)から、その人の体質や今の 状態を総合的に把握し、鍼灸の刺激によって「気・血・水」の量や巡りが適度になる よう調節していきます。

また、睡眠や呼吸に関わる筋肉の緊張を鍼でほぐし身体を調節していきます。

自分でできるオススメのツボ

ツボ押しは布団の中で横になりながらできるので、押している最中に眠くなってきたらそのまま寝てしまっても大丈夫です。

寒い季節は、ツボのまわりを湯たんぽやシールタイプのカイロなどで温めるのもおすすめで、不眠でお悩みの方は、ぜひ就寝30分~1時間前のツボ押しを習慣化してみてください。

・失眠(しつみん)

場所: かかとの中心

漢字のごとく『失った眠り』、つまり『不眠症』に効果があります。

暑くて寝苦しい夜や、冷房で冷え切った足を暖めることにも使えます。

チェック※ 熱さを感じるまで灸をする
熱いのが苦手な方はペンなどで刺激を与えるのも効果があります。

・百会(ひゃくえ)

場所:頭頂部

自律神経を整える働きがあり、精神不安を抑えて心を落ち着かせてくれる。

・安眠(あんみん)

場所: 耳たぶの裏の凹み

自律神経を休息モードにし、文字通り安眠に導いてくれる。

薬による不眠症の治療のリスク

不眠症の薬

多くの人が睡眠薬を使いますが、やはり依存性があります。

身体的依存といい、繰り返し薬を摂取することで、効果が切れてきたときに脳が自動的に薬を欲します。

急に薬を摂取しなくなると離脱症状と呼ばれる身体の症状が起こります。

また、使用歴が長いほど、認知症になるリスクが高まるとも言われています。

薬が効くから飲めば良い、ではなく根本的な鍼灸治療を試してみるのをお勧めします。

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